治療例
治療例
治療の成功のために
最も代表的な歯列不正として、叢生、上顎前突、反対咬合、開咬など、当院での治療例を示します。歯の大きさやあごのバランス、成長の過程で生じてきたもの、舌や口唇の癖など、歯列不正の成因には様々なものがあります。
当クリニックでは、機能と形態の両面から総合的に判断し、最も治療後に良好な結果が得られる方法を検討した上で、計画的な治療を進めていきます。
治療例 1: 叢生(乱ぐい歯) [17歳 女性]
上下のやえ歯が気になり来院されました。広い範囲で歯が重なり、不正咬合の中でも最も虫歯になりやすい歯ならびといえます。
治療前 | 治療後 |
歯とあごの大きさが大きく異なり、あごの中に並びきれないため、上顎小臼歯の抜歯を行いエッジワイズ装置にて矯正治療を行いました。
治療期間は1年10ケ月、健康で美しい笑顔がよみがえりました。
矯正治療費: 75万円 矯正治療に伴う一般的なリスクと副作用:ブラッシングが十分でないと、むし歯や歯周病の心配があります。まれに歯根吸収を生じることがあります。 治療後の保定装置の使用不足により後戻りを生じることがあります。
治療例 2: 上顎前突 [14歳 女性]
上のあごや歯が前突し、口唇が閉じにくいことが気になり来院されました。上顎前突の治療は骨格からずれているか、歯のみが前突しているかによって治療の方法はことなります。
治療前 | 治療後 |
頭部のレントゲン検査や歯型、治療後に予想される口唇の審美的なバランスなどを考慮したうえで、治療方法や使用される装置が決まります。この症例では小臼歯の抜歯をおこないエッジワイズ装置により前歯を後方に牽引し、自然な口唇の閉鎖ができることを目標に治療を行いました。治療期間は2年2ヶ月です。
矯正治療費: 78万円 矯正治療に伴う一般的なリスクと副作用:このような症例では、小臼歯を抜歯して前歯を大きく後退する必要があるため、顎間ゴムなどの使用が不足すると、前突が十分に改善されないことがあります. ブラッシングが十分でないと、むし歯や歯周病の心配があります。治療後の保定装置の使用が足りないと後戻りを生じることがあります。
治療例 3: 過蓋咬合(深いかみ合わせ) [9歳 男性]
前歯のかみ合わせが深く、上の歯が出ていることが気になり、来院されました。このようなかみ合わせを過蓋咬合といいます。
この例では、下のあごが後退しており下唇に強い緊張が見られます。深いかみ合わせは、あごの自由な運動を制限してしまうことから、顎関節症の原因になることがあります。
治療前 | 治療後 |
9歳よりあごの発育を促進するFrankel装置を約2年間使用した後に、エッジワイズ装置にて永久歯のかみ合わせの調整を1年6ケ月行いました。
早い時期よりあごの発育の改善を行ったことにより、非抜歯にて治療を行うことができました。
矯正治療費: 80万円 矯正治療に伴う一般的なリスクと副作用:成長期の治療では、取り外しの出来る装置使用の協力の程度や顎の発育の個人差により、治療期間や治療効果に影響することがあります。ブラッシングが十分でないと、むし歯や歯周病の心配があります。まれに歯根吸収を生じることがあります。治療後の保定装置の使用が足りないと後戻りを生じることがあります。
治療例 4: 反対咬合(うけ口) [7歳 女性 ]
下の歯やあごが出ていることが気になり来院されました、このような歯列不正を反対咬合といいます。
反対咬合には、歯だけのズレと骨格のズレを伴うものがあります。年齢が高くなるほどあごのバランスに不調和を生じ、顔貌の変形を伴う傾向が見られます。
治療前 | 治療後 |
一般に、6歳〜8歳頃までにあごのバランスを整える第1期治療と、永久歯の萌出後に咬み合わせの仕上げを行う第2期治療の2段階の治療を行います。
写真の例では、7歳の時に上あごの前方成長の促進を図る上顎前方牽引装置を1年使用し、骨格のバランスを整えた後、永久歯の萌出完了後にエッジワイズ装置を1年7ケ月使用し、矯正治療を終了しました。あごのバランスの治療をを早期から行うことにより、非抜歯にて治療を行うことができました。
遺伝などのあごの形や大きさに問題がみられる場合では、あごの成長が終了する16−18歳以後に治療を開始します。
あごが大きくずれてしまった場合でもあきらめることはありません。あごの手術を併用する 『外科矯正』 を行うことにより、バランスの取れた顔貌に改善することができます。中高齢になってからでも治療を行う事ができますので当クリニックにご相談ください。
矯正治療費: 78万円 矯正治療に伴う一般的なリスクと副作用:あごの発育に問題のある骨格性反対咬合などでは、予期せぬ成長変化により治療法、治療期間に変更を生ずることがあります。ブラッシングが十分でないと、むし歯や歯周病の心配があります。治療後の保定装置の使用が足りないと後戻りを生じることがあります。 遺伝などのあごの形や大きさに問題がみられる場合では、あごの成長が終了する16−18歳以後に治療を開始します。 あごが大きくずれてしまった場合でもあきらめることはありません。あごの手術を併用する 『外科矯正』 を行うことにより、バランスの取れた顔貌に改善することができます。中高齢になってからでも治療を行う事ができますので当クリニックにご相談ください。
治療例 5: 開咬 [17歳 女性]
上下の歯が噛み合ないことが気になり来院されました。このような歯列不正を開咬といいます。開咬の原因は多岐にわたり、この写真のように舌を前方に突出させる癖(舌癖)がその代表的な原因となります。また骨格の不正や顎関節に障害がある場合、口呼吸を伴う気道疾患などが原因となる場合もあり、開咬の治療にあたってはその原因を精査したうえで、治療方針をたてることが治療後の再発を防ぐためにもとても重要になります。
この例では、広範囲に及ぶ開咬が見られ、左右の臼歯のかみ合わせも不安定な状態で、咀嚼機能不全や発音が不明瞭などの症状も見られました。
治療前 | 治療後 |
治療にあたっては、舌癖改善の筋機能療法、正しい嚥下機能の回復をはかるトレーニングを併用しながら、エッジワイズ装置を使用し非抜歯にて開咬の改善を行いました。治療期間は2年5ヶ月。 治療後にも後戻りを防止するために、正しい嚥下や舌の機能訓練を継続して行うこととしました。
矯正治療費: 80万円 矯正治療に伴う一般的なリスクと副作用:舌を出して飲み込む癖(舌習癖)などが原因で生じた開咬の症例では、癖を治すトレーニングが必要となります。トレーニングが不足していると、治療後の再発の原因になることがあります。ブラッシングが十分でないと、むし歯や歯周病の心配があります。まれに歯根吸収を生じることがあります。治療後の保定装置の使用が足りないと後戻りを生じることがあります。
骨格性反対咬合: 顎変形症 [25歳 女性 ]
下の顎が出ていることが気になり来院されました。この例のように著しい反対咬合の場合は、頭部X線セファログラム、コーンビームCTにて頭蓋顎顔面の形態分析を行い、口腔外科医との綿密な打ち合わせのもとに、均整の取れた顔貌のシュミレーションを作成し、この目標に向けて外科矯正治療が開始されます。
この例では下のあごを後方に10mm後退させました。上のあごが小さく歯の重なりが大きいため左右第1小臼歯の抜歯を行い、エッジワイズ装置にて矯正を開始しました。手術までの術前矯正に1年3ケ月、10日間の手術入院、術後矯正(手術後のかみ合わせの最終調整)を6ケ月にて終了。治療期間は1年10ケ月を要しました。
治療前 | 手術計画 | 治療後 |
矯正治療費: 保険適用 保険適応 矯正治療に伴う一般的なリスクと副作用:ブラッシングが十分でないと、むし歯や歯周病の心配があります。外科手術には10日間程度の入院が必要となります。手術後に一週間程度の顔の腫れ、痺れなどを生ずることがあります。矯正治療後には戻り防止のため、保定装置の使用が必要となります。
骨格性交叉咬合: 顎変形症 [22歳 女性]
下のあごが右にズレて、歯ならびも右側に大きなズレ(交叉咬合)を生じてます。このようにあごの変形の大きな症例では、顎関節に痛みを訴える患者さんが多く、歯の移動だけでは改善が困難なため、上下のあごの形を整える外科矯正をおこないました。
エッジワイズ装置にて術前矯正(手術前の矯正)に1年8ケ月、10日間の手術入院を経て、手術後の矯正に8ケ月、合計2年5ケ月、非抜歯にて治療が終了しました。外科矯正によって、均整の取れた美しい口元がよみがえりました。
治療前 | 治療後 |
矯正治療費: 保険適用 保険適応 矯正治療に伴う一般的なリスクと副作用:外科手術には10日間程度の入院が必要となります。手術後に一週間程度の顔の腫れ、痺れなどを生ずることがあります。顔面非対称が著しい症例では、手術後の後戻り防止のため顎間ゴムなどの使用が必要となります。ゴムの使用が不足すると顔面非対称の再発の可能性があります。矯正治療後には戻り防止のため、保定装置の使用が必要となります。
開咬: 顎変形症 [18歳 女性]
小さい頃からのどの腫れ(口蓋扁桃肥大)を繰り返し、舌を出してしまう習癖があり、あごの成長も大きく、前歯に大きな開咬を生じてしまいました。発音も不明瞭で、前歯でうまく咬むことができないため来院されました。
このような重度の開咬では、あごの形を根本から整形する外科矯正が適応となります。治療期間は、術前矯正に1年7ケ月、10日間の手術入院、退院後の術後矯正に6ケ月、合計2年2ケ月を要しました。 非抜歯にて前歯のすき間は大きく改善され、良く咬めるようになりました。
治療前 | 治療後 |
矯正治療費: 保険適用 保険適応 矯正治療に伴う一般的なリスクと副作用:外科手術には10日間程度の入院が必要となります。手術後に一週間程度の顔の腫れ、痺れなどを生ずることがあります。ことに開咬の治療では舌習癖などによる再発防止のため長期的な保定装置の使用が必要となります。ブラッシングが十分でないと、むし歯や歯周病の心配があります。
矯正治療の成功のために
矯正治療のリスクと協力のお願い
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矯正装置の使用中は、虫歯や歯周病の予防のために十分なブラッシングを行い、口腔内を清潔に保つようにしてください。
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顎やかみ合わせの精密検査を行い綿密な計画のもとに矯正治療を行なってゆきますが、顎の発育異常や骨性癒着、歯根吸収などにより治療計画や治療期間に変更を生じることがあります。
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度重なる装置の破損や紛失は、治療効果や治療期間に大きく影響します。矯正治療中は、装置を大切に扱っていただき、きちんと使用していただくことが大切です。
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歯の移動を行なった後は、歯がもとに戻らないようにリテーナーの使用が必要となります。装置の使用をやめてしまうと、後戻りを生ずることがあります。矯正治療後には、リテーナーの調節のために3〜6ヶ月毎、2〜3年の定期診査が必要となります。